セピア色の記憶 3 <昭和30年代>芝園館

由緒ある映画館/芝園館

「こども1まい!」切符売り場で手を伸ばして入場券を買った。
値段は覚えていない。階段を駆け上がり、2階のエンジ色の
分厚いドアを押し開け 薄暗い場内に入る。
最前列の席に座る。目の前には、真鍮の手すりがある。

画像


前方下にスクリーンがあり、天井との間には漆喰か何かで
作られた彫刻がある。左右の袖にも独立した客席があるが、
今まで一度も座っている人を見たことがない。
天井桟敷と言うものらしい。

上映中、たまに足元をネズミが走りぬけた。

画像
昭和36年
画像


今日は「モスラ」をやっている。
この映画館で最初に見た映画は「日本誕生」だったか?
三船敏郎がヤマタノオロチと戦っていた。朝汐が天岩戸を
力ずくで開けていた。熊襲をやっつけるために女装した
三船は、気持ち悪かったな。

「ゴジラ」も上映された。とにかく暗くて怖かった。
覚えているシーンは、あとでいろいろなメディアで紹介されて
いるのを見たので、いつの記憶か分からなくなってしまった。

戦前の映画なのに「エノケンの孫悟空」も見た記憶がある。
髪の毛を引っこ抜いて息を吹きかけると、分身が現れるシーンと
きん斗雲に乗って空を飛ぶとき、特殊撮影で画面が上下に
分かれてたのがスゴイと思った

「天皇皇后と日清戦争」(1958年)とか「明治天皇と日露戦争」も
見終わった後、異常に興奮していたように思う。
青龍刀というのを初めて知ったし、嵐寛が明治天皇を演じて
不敬罪にならないのかと、子供心に本気で思った。

その後も閉館になるまで足げく通った。
最後に何を見たのかは忘れたが、中学になって、学校が貸しきって
皆で見た、「東京オリンピック」が今でも心の中に輝いている。

画像