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zoom RSS 絵画論その7 飛び出す絵と引き込む絵

<<   作成日時 : 2009/12/10 22:49   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 7 / トラックバック 3 / コメント 1

絵にはいろいろなジャンルがあります。
洋画と日本画、具象画と抽象画、
風景画と人物画、あるいは時代ごとに区切り、
ロマンだのバロックだの印象などといった
その時代のものの見方や表現法で区切られます。

私は絵画を鑑賞するとき、これとは違った別の見方をします。
それは、その絵が画面から飛び出すように見えるのか、
または画面から奥へ引き込まれるように見えるのか、
そういったことを意識します。
飛び出す絵

飛び出す絵


引き込む絵

引き込む絵





私は美術館で壁にずら〜っと掛けられた絵を見ています。
1枚の絵が強い印象で目に飛び込んできます。
暗い背景から浮かび上がる白い花瓶と真っ赤なバラ。
展示会場が明るく華やかになります。

画面からエネルギーが周囲に放たれているような気がします。
そこから確かな圧力を感じます。


隣の部屋にある一枚の風景画。一見目立たないが青い空に薄い雲がたなびき、
山間からの小川が画面手前まで流れ、
小舟が葦の群生の陰につないであります。風が吹いてきました。
自分が絵の中にいます。
遠い山は子供のころどこかで見たことがあります。
自分が丸ごと絵の中に引き込まれた錯覚に落ちました。


壁に掛かっている絵はそれぞれが異世界への窓です。

ある窓からは南国の光と熱風が吹き出し、さらに香りや音までもが
殺風景な部屋に充満します。
またある窓は地平線まで続く広大な大地への入り口、
陽が昇り月や雲が浮かぶ、心も一緒に旅をします。


皆さんも絵を鑑賞するときには

(この絵は)どのくらいのエネルギーか
どれくらい飛び出しているのか
部屋全体に響いているか
どのくらいの勢いで吸い込んでいるのか
どれだけ奥深くまで感じられるか

このような目で見ると面白さが広がり、
自分の中のミューズ・アイが深まります。

立体的に描いてあるのに10cmぐらいしか奥に行ってなかったり、
激しい色遣いをしている割には自分に何も飛び込んでこなくて平板だったりと
今までと違った評価が出来るかもしれません。

この飛び出す絵と引き込む絵という見方は
線一本の絵から超細密画、洋画日本画を問わず
当てはまるのです。実に不思議です。

私はどちらかというと引き込む絵のほうが好きです。
引き込む絵の世界のほうが私たちの世界より
格段に広い空間(可能性)がある気がするからです。
(元気な人は飛び出す絵、疲れ気味の人は引き込まれる絵を好む傾向はあります。)

絵という小さな窓が無限の異世界へつながっているなんて素敵だと思いませんか。


次回は「絵画は幻術(仮)」です。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時

へへ〜〜〜恐れ入りました。
絵画鑑賞の極意を実に分かりやすく解説していますね。
(昔から油絵だけを描いている人には、こういった解説はできないかもしれない。M本氏の幅広い活動ゆえでしょう)
マミケン
2009/12/11 16:14

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