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zoom RSS 絵画論その1 自分で描いた絵を鑑賞するということ

<<   作成日時 : 2008/12/23 18:45   >>

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▼「自分が描いた絵」と「周りの人(自分含む)」との関係は

世の中には多くの絵が存在しますが、ひとまず他人の絵の事は置いておきましょう。まず最初に「自分の描いた絵」と、それをとりまく人との関係を考えてみたいと思います。3つのケースに分けましたので次の図をご覧ください。
画像

「自分が描いた絵」に対し、ケース1と2は「自分」との関係、ケース3は「自分以外の人」との関係となってます。それでは順に説明していきます。

まずケース1。
▲描いた絵よりも自分の美意識が小さい場合
一所懸命絵を描いてみたのだけれどその絵が上手いのかどうか自分でわからない状態、又は描いたことは描いたがそのあとのことにはあまり関心がない状態です。いたずらに筆を動かしているうちに出来てしまった絵もこのケースに当てはまるのです。絵を描いて楽しんでいても、自分の絵がどのような状態なのかがわからない為、他人の評価ばかり気にかけてしまいます。そして描き続けることが苦痛に変わってしまうことが多く見られます。

このケースは「絵は習ったことのない人が下手な絵を描いている」ということではありません。あくまで、描いた人とその絵に向き合う姿勢について言っているのです。絵柄そのものの芸術性云々はここでは問題にしません。

次にケース2。
▲自分が自分で描いた絵と正しく向き合い、評価できてイコールの状態になっている場合
「イコール」という意味には、絵の内容と自分の美の基準が同じという意味の他に、描いた絵の好き嫌いや楽しみ、苦しみなど自分の正直な気持ちを込め、絵と向き合えるということも含まれています。

最後にケース3。
▲絵が描いた本人以外の人達に評価され、絵が自分を離れてより大きな周辺環境におかれる場合
その時絵は作者と関係なくホメられ、けなされ、賞をもらい、どこかに飾られ、捨てられ、あるいは高額で取引され・・・と地域を越え、時代を重ねて存続していきます。その時、描いたあなた本人はその評価にいやでも向き合わねばなりません。

まとめて言うと、
ケース1は絵に目が向かない、ケース2は絵に自分の目が向いている、ケース3は絵に自分+他人の目が向いている、となります。この3つのケースを頭に入れておくだけで、絵を描く上で混乱や惑いもなくなり、非常に便利です。


▼自分で好きなように描いているだけではいけない理由

いわゆる一般的な「絵」を上達させるためには、楽しく描く事より描き続けていく事の方が重要です。それを説明するために「ミューズ・アイ」という言葉を使いたいと思います。(絵画に限らず、)自分の中の「ミューズ・アイ」を育てることが一番大切なのです。

絵は自分で描いて楽しみ、出来上がったものを見て再度楽しむ(苦しむ?)ことが出来るのが望ましい状態です。これは前の図のケース2の状態です。そうなるためにはどうしても「ミューズ・アイ」というものが必要です。自分の中にある、絵を批判するもう1人の「目」、それが「ミューズ・アイ」(審美眼)です。説明のために私が作った言葉です。

これが無い(育ってない)と、すぐに絵をやめてしまいがちです。ただ描いているだけでは同じことを繰り返しているだけになるので、飽きてしまうからです。私たちが絵を楽しく続けていくには「ミューズ・アイ」が必要で、「ミューズ・アイ」は描き続けなければ育ちません。しかも油断するとすぐにこの目が曇り、自己満足に陥ってしまいます。ニワトリと卵の関係の様にどちらが先かわかりませんが、「絵を描き続ける事」と「目が肥えてくる事」は相互に作用しながら同時に育ち、進みます。どこまでもどこまでも…。80、100歳になってもそれは終わる事はありません。

絵を描く上で起こるいろいろな事柄〔例えば素材(絵の具、紙質、筆、…etc)や描き方(日本画、洋画、切り絵、…etc)、発表の場(グループ展、個展、各公募店、各会派、研究所の各賞、…etc)や練習方法〕がこの「ミューズ・アイ」「描き続ける」という2本のレール上に位置しています。これらの事柄は絵画の手段であって目的ではありません。ただ楽しみ、利用し、活用して「ミューズ・アイ」をどこまでも育てていく様になってほしいのです。このblogがその手助けになれば、と思います。

「ミューズ・アイ」が十分育てば、第3者(他人の目)と対等かそれ以上に絵と向き合うことが出来ます。さらに、絵画以外の芸術分野、すべての創造分野を理解する唯一の道しるべとなります。昔から一芸に秀でた人は何をやらせても良い仕事をすると言われるのもこのおかげでしょう。

青字の質問の答えとしては「ただ楽しんで描いているだけでは飽きが来るから」で、そうならないために生涯絵と向き合える方法を提唱しました。

2011/11/27 追記:このブログの絵画論では芸術の話は一切しません。芸術論ではないということにご了承ください。

うさうさ堂の絵画論の一覧<絵画論記事のまとめ>


[blog担当から一言]いきなり分かり辛い話から始まってしまいました。絵画論第1回はこのblogの目的(指針)ということもあり、やや難しい内容になってしまいました。細かい所や正確な意味(定義)が分からない方もいらっしゃるかもしれませんが、大体の意味を掴めればいいそうです。
 普通、絵画論というと「名画の(個別の)鑑賞法」となりがちですが、それはしないそうです。他ではあまり見られない(はずの)、「一般的な絵の話」を展開していきます。次回は「簡単に分かるいい絵の見分け方(仮)」です。


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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
描き続けることで育つ「ミューズ・アイ」
 ステキな言葉です。肝に銘じます
せっちゃん
2009/01/15 20:46
やっと 辿り着きました〜♪
素敵な仲間と 時間を共有できるのが 楽しみです

2009/01/18 08:33
自分の中の「ミューズアイ」を育てることに努力します。
ポートイン
2009/01/27 13:30
やっと来られました〜興味深いお話がたくさん載ってて勉強になります
私はまだケース1でしょうか・・これからも頑張ります
メイメイゆうこ
2009/02/01 07:41
>海さん
>せっちゃんさん
>メイメイゆうこさん
コメントくれてありがとう、これからもみてくださいね。

>ポートインさん
私の知っている方でしょうか?コメントありがとうございます。
YUTAKA
2009/02/02 22:18

う〜〜〜む、難しい所から入りましたねぇ・・・映画「燃えよドラドン」でブルース・リーが少年にカンフーを教えている。「月を見るのと同じだ」とリーは月を指差す。少年はリーの指が気になる。「違う!指を気にするのではない。その先の美しい物を見逃すな!」と諭す。何かこれに似ているような・・・・
マミケン
2009/06/23 14:47
こんにちわ。僕は趣味でイラストを描いているのですが、最近絵を描くのが嫌になりつつあって悩んでいました。
ですがこの記事を見てハッとしました。
@はまさしく今の僕のことです。
絵が上手くなりたいのにイマイチ乗り気になれなくて上手くならない事にあせり、周りの上達と評価にばかり目がいってしまうんです。
審美眼を養うためには描き続け、しかしただマンネリと描き続けるのではいけないとおっしゃいましたが、実際どのようなことに注意して描けばいいんでしょうか?
ナナフシ
2012/09/25 00:55
ナナフシさん コメントありがとうございます。
ご質問の中に絵が上手くならない事へのあせり とありますが、
上手な絵というのは 上を見たらキリがないので、
そんなことよりまず自分の好きなもの
(描いていて楽しく思えるもの)を
ひとつ選んでそれを中心に描く様にしたらいかがでしょう。

私の場合は好きなものをうさぎに選び、40年間続けています。
何か描くときはうさぎにいろいろプラスして、
自転車に乗せたり、空を飛ばしたりと、
擬人化したうさぎワールドを創って楽しんでいます。

その際絵はどんどん変化しました。
3年前の絵でも今見るとはずかしいくらいヘタです。
ということは、後3年経てば今の絵もヘタだといえます。
でもそれでいいと思っています。
うさぎのお陰で、自分の絵が出来てきました。

ナナフシさんも自分なりに楽しく描き続けられる方法を見つけてください。
他人はいろいろ言いますが、10年やり続けるとはっきり他人と差が出ます。
うさうさ堂 YUTAKA
2012/09/25 22:11
返信ありがとうございます。
なるほど、やはり何をするにも好きこそ物の上手なれに行き着くわけですね・・・。
楽しむために努力するというのはいささか変ですが、楽しめるよう努力します。
折角持てた趣味なんでがんばって続けます。
ありがとうございました(・・)ゞ
ナナフシ
2012/09/26 00:15

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